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第10話 陛下は指輪を贈りたい

Author: ゆちば
last update publish date: 2026-08-30 20:00:09

 天気の良い昼下がり。

 室内の公務を片付けたフェルナン陛下と私は、二人で城下町に出かけていた。

 残念ながらデートではない。城下町をお忍びで視察するために、デートのような雰囲気を醸し出しているだけだ。

 正体がバレないように、フェルナン陛下は護衛の騎士という設定の衣装に身を包んでいる。国民全員に素顔を知られている陛下は、髪型を七三分けに、そして眼鏡をかけるという圧倒的「陽」のイメージを半減させるスタイルだ。

 しかし、まあ、どんな見た目でもフェルナン陛下はかっこいいので、眼福であることには変わりない。もちろん、網膜映写機にその御姿は刻ませていただいた。

 一方、私はというと。

「い……、いかがですか。私、貴族の娘っぽいでしょうか。……いや~、私男なので流行りのドレスやアクセサリーなんて分からないんですけど、ちょっと頑張って選んでみたというか…&

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